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風がソヨグ、波間の中に、懐かしい町が現れる。木立の中で、秘かな夏がザワメキダシタ。
君が映る、澄ました君、笑い転げる君に。君は踊るよ、アンドウトワ。迷い込んだ白鳥を、王子はすかさず抱きしめる。
ノンノン、僕から逃れてターンをしては、誇らしく飛んでゆく。そんな仕草に僕は釘付け、時は止まる。
白い港町。プライベートの砂浜から子供たちの嬌声。風船が飛交い、縞々テントのクレープ屋で僕達は接吻を交わしている。
海辺の小さなアトリエで、僕は、仲間と芝居のセリフ合わせをしている。君はトウシューズの足を窓枠に預け、ずっと向こうの水平線を見ていた。
あの時代のささやかな夢、僕らの哲学、いつだって繰り返す、いつだって戻ってくる。
水平線の向こうにマストの先が消えても、日が昇れば、必ず戻る。はためく愛の旗が見える、そう信じた。
僕のプリマ、苦い幸せの残像を運んで、また夏が来る。